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Mutua Madrid Open 2019 epilogue [tennis]

パリ発航空機で座席に座った際、隣の席のお兄さんがレキップ紙を持っていた。あ!これリシャールの復帰戦へ向けてのインタビューが載ってるやつ!持ってくるの忘れた。慌てて席を立ってキャビンアテンダントに事情を話すと、余ったらお座席にお持ちします、と。

普段は機内では眠れないタチだが、今回はぐっすり。ちょうど目が覚め掛けた頃に、膝の上へ、例のレキップ紙が置かれる。実は機内で眠りに落ちる前、マドリード滞在記を書き留めながら、色々考えていた。疲れからか、最後のピエールが話しかけた言葉を聞き取れなかったこともあり、ちょっと気分的に落ちていたのだが、ひと眠りして、膝の上のレキップ紙を見た時、何かのお告げのように、閃いた。ああ、私は幸運なんだと。もしかしたら在庫切れの可能性もあったのに、こうして私の手元にやってきた。ほんの小さなことだけど、恵まれていたんだな、自分、と。

帰宅して、丁度ピエールとスタンの試合を第2セットからTV観戦。自分があそこにいたんだなぁ、今TVで映っている、このピエールと会ったんだなぁ、と思うと身震いがした。なんて恐れ多いことをしたんだろう、と。ピエールはテニス界のスーパースターだよ、ダブルスでキャリアグランドスラムを獲った選手だよ。そんな偉大な選手に気軽に会って話ししようなんて、と。思わず、観戦記を書くのを止めようかと思った。これは日記みたいなものだし、誰に見せる必要もない。これまでの観戦記も書いたことないんだし、と。ただ自分のためだけとしても記録しておけば楽しいですよ、とアドバイスをいただいたので、なんとか書き綴ることが出来ました。

あれから数日経って、現場であれこれ悩んだことも、落ち込んだことも、今となっては記憶の彼方。で、あれば楽しかったことを記録しておくのも悪くない。実際、読み返すと信じられない事ばかりだった。出発前の不安や煩わしい出来事もあったけど、終わり良ければ全て良し。嬉しいこと、信じられない奇跡のような事の方がよっぽど大事。

2年半追い続けてきたピエールにようやく初めて会えた去年のMCでの奇跡から、WB、そしてデ杯決勝後の触れ合い。そして今年ドバイ、怪我で会えず、マドリードで半年ぶりに出会えたピエールは、眩しいほど輝いていた。そして信じられないくらいファン想いの、涙が止まらず、身体が震えるくらい優しい、いつものピエールだった。私はテニスをしないから技術的な事はわからない。テニス選手のピエールというより、人としてのピエールを尊敬しているし、弱さも持っているピエールだからこそ応援したい。

スペインの神様は素敵な機会を私にくれた。ピエールにも、長年会いたかった友人にも、美味しい食事も。出会いの奇跡に恵まれまくったこの滞在。さすが射手座の本拠地、引きが強い。何かに導かれてここまで来たとしか思えない。私はただ流れに身を任せていただけだったけど、そんな時もある。リラックスする事で閃きや良い事を感じ取れる力が働いたのかも。初日は力みまくってて、2日目から本来の自分になれた。短い滞在でも、余りにも濃い時間を過ごした。今は起こった全てのことに、出会えた方々に感謝を。そして陰ながら支えてくれる方々にも深い感謝を。最後にピエール、あなたに会えたことは私の人生にとってかけがえのないもの。あなたがくれた、大きな包み込みような優しさは一生忘れないでしょう。

いつもあなたに会うと高村光太郎の、この詩の一節を思い出します。

私はあなたの愛に値しないと思ふけれど
あなたの愛は一切を無視して私をつつむ

ありがとう、ピエール=ユーグ。ありがとう。

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