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When Herbert meet Mahut… [tennis]

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フランスTVのドキュメンタリーが数日前に限定公開された。2021年の2度目の全仏優勝を飾ったピエール=ユーグ・エルベールとニコラス・マユ ペアのドキュメンタリー。言葉もわからず夢中になって画面に見入った。彼らの子供時代の写真や動画を挟み、2021年大会2日目から決勝の日まで、カメラは彼らを追い続ける。この2021年大会は彼らにとっても重要な大会であり、私個人にとっても忘れられない大会だ。それをドキュメンタリーで観れるとは。追体験ができる最高のシチュエーション。残念ながら彼らが何を語っているかは殆どわからなかったが、試合の映像の振り返りだけでも充分だった。観終わって、感無量。色んな思い出が溢れてきた。土曜日の朝に観終わって、心ここにあらず状態。

そして…深夜になってフォロワーさんがこのドキュメンタリーの予告とも言える、フランスTVのTwitterに上がっていたあらすじ動画のざっくり訳を教えてくれた。このあらすじ動画で2人が語っていたのは、2019年のペア解消危機に関するものだった。え……………………。




日曜朝、フォロワーさんがあらすじ動画の詳細を送ってくれて、さらに衝撃を受ける。彼ら自身の言葉で語られるペア解消寸前の出来事。そこで何が起きていたのか。2人で何を話したのか、赤裸々に語っていた。もちろん今だから言えることではあるが…余りの衝撃に、声を失う。いや、どんなペアにもそういう時期はあるし、実際これだけ長く組んでるペアは今では殆どいないから。それにしても一枚岩だと思っていた、固い絆で結ばれていると思われたフランス最強ペアに限ってそれはない、と思っていたのに…。

嬉々として2021年全仏優勝を振り返ろうとしてたお気楽な自分に、突如平手打ち食らったようなショック。呆然自失。どうしても彼らの言葉でちゃんと知っておきたい。フォロワーさんの英訳をヒントに、音声翻訳アプリを使って自分なりに纏めてみた。訳に自信は全くないが、改めてタイムラインを遡ってみると、自分でも信じられない。


2019年
1月 全豪優勝で、史上8組目のキャリアグランドスラム達成。
そのロッカールームでピエールがニコに全仏と全英ではダブルスは組まずにシングルスに専念したいと告白。ニコはこの決断を受け入れる。
春 ピエールにアンディー・マレーからの全英のダブルスオファーが来る。最初は断ったが、ニコも別の選手と全英が決まっており、最終的にこのオファーを受ける。
6月 ピエールがアンディーと組んで全英出場(2回戦敗退)。ニコはエドゥアール・ロジェ=バセランと組んで全英準優勝。(ピエール曰く、この出来事がニコとの関係に大きく影響するとは思っていなかった。だが実際のところペア解消寸前までいった)
8月 シンシナティ・マスターズでニコとダブルス再開。全米出場(初戦敗退)。(ニコ曰くキャリアの中でも最悪な試合)試合後、ニコがピエールへ自分の気持ちを伝える。
9月 ピエールからニコへ、一緒にプレーしたいと返事をもらう。ピエールが長年のパートナー・ジュリアと婚約。
10月 ウィーン準決勝進出、パリ・マスターズ初優勝。
11月 ATPファイナルズ初優勝。


もうジェットコースターとしか言いようがない。年初にキャリアのピークを迎えた後、夏にまさかのペア解消危機があり、その秋に、パリ・マスターズとATPファイナルズ初優勝って。なんなのこの2人。その後2020年ピエールが長男を授かり、2021年全仏とATPファイナルズ2回目の優勝。Unbelievable 。

この2021年の全仏前まで2人は中々勝てず、苦しんでいたし、コロナ禍で夜間外出制限もあった地元フランス開催の大会で、地元ファンの大声援の中での優勝はかけがえのないものだったに違いない。だからこそ決勝戦試合後のインタビューで2人とも泣いていたのだ。

本当は彼らの全仏大会を振り返るブログにしたかったけど、どうしてもこのペア解消危機を乗り越えなければ、自分も先に進めない、と思ったので書き記しておく。ニコが語った全米での初戦と試合後の言葉。(あくまで意訳)この言葉がなければ、今の2人はなかったのだから。



「全米で再び一緒にダブルスを組んだ時、初戦は我々のキャリアの中でも最低の試合だった。我々はただコートに突っ立って、お互いに文句を言い合い、魂が抜けていた。

試合後、彼(ピエール)に伝えた。こんな言い争いは不要だ。我々が築き上げてきたものを捨てるのか。わかった。一緒にプレーするのはやめてもいい。でもお互い会って、挨拶(ハグ)して、ご飯を食べ、近況を話すことは出来る。我々が築き上げたものは変わらないし、誰にも奪われない。でも、自分は…君と一緒にプレーがしたい。確かに君がした(全英での)決断には傷ついた。だが思ったんだ。君が終わりにしたいならそれでいい、受け入れるよ。

2日目後、彼(ピエール)がやって来てこう言ったんだ。この間の僕らの会話、それが今の僕には必要だし、僕ももっと話し合いたい。あなた(ニコ)と一緒にコートに立つ喜びを感じたい。もう一度僕らを取り戻そう。まだ終わってない。」



私はこのペアの芯(真の支え)はニコの強い意志と、賢明な判断、的確なアドバイスだと思う。そこにピエールの閃きに溢れたプレーが相まって無類の強さを発揮出来る。お互いを思い合い、助け合い、高めることのできる類い稀なペアだからこそ、ずっとずっと観ていたいと思う。過ぎていく時間は無常だが、限りあるからこそ輝くものもある。私は彼らの1ファンにしか過ぎないが、いつまでも、いつまでも、彼らを応援し続けていきたい。彼らから貰った沢山の思い出が、私の人生の宝物だから。
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