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Pierre-Hugues and Andrew in WB [tennis]

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今までいろんな大会を観に行って、お土産にタオルを買ってきたのはRGとWBだけ。どちらも初めて行った2016年のもので、特にWBは130回の記念大会だった。その年、優勝したのは、シングルスではアンディ・マレーそして、ダブルスではエルベール/マウだった。

3年後のWB。まさかアンディとピエールがダブルスで組むとは思ってもみなかった。2人を取り巻く環境は3年前と大きく変わっていて、特にアンディは選手生命の危機を乗り越えての出場だった。半年前のAOでのアンディの涙の会見をみた後では感慨もひとしお。Queen’sでの復帰はイギリス国民だけではなく、世界中のテニスファンの誰もがアンディの復活を祝った。そのQueen'sでの会見で、アンディはピエールと組んでWBに出場することを宣言。

ニコ自身にも申し訳ないし、ニコファンにもとても複雑な心境だったろう。AO でのキャリアグランドスラム達成直後、ピエールはシングルスに集中したい、とRGもWBもダブルスは出ない宣言をしていたのだから。マドリードでアンディのコーチ、デルガドから最初のオファーを受けた時、ピエールは断っていたし、RGの最中に言われた時も同じ返事だった。

でもピエールにとって、シングルスで向上を目指すどんな選手にとっても、シングルス世界一の選手からの申し出、アンディにとってのホーム、沢山のファンが駆けつけるであろう、伝統のWBで試合をすることは、千載一隅のチャンスだったし、自分の人生を振り返った時、こんな機会を逃したら絶対後悔するとわかっていたから、最終的にオファーを受けたと思う。WB伝説の選手、自分を指名してくれたのに、他の誰かと一緒にプレーするアンディを見たくなかった、とWB始まる直前のインタビューでピエールは話していた。

アンディと一緒にいることで学べること、感じ取れる事、余りにもポジティブな要素が沢山ありすぎる。だが同時にプレッシャーもかかる。実際彼らは前週の金曜日に初めて一緒に練習したばかりで、日曜にピエールが右太腿の痛みを感じた時には、ピエールはちょっとパニックになったに違いない。検査結果は良好だったため、月曜のシングルスには出たが、アンダーソンに敗れ、残るはアンディとのダブルスのみ。

そしてついに試合当日。相手は前週のチャレンジャー大会で準決勝まで行ったコピル/アンベールペア。第1セット。アンディもピエールも緊張していて、コピルの目の覚めるような鋭いサーブと、この舞台を満喫している笑顔のアンベールくんが第1セットを先取。前週のイーストボーンでの初戦のようになってしまうのか…と観客は思ったに違いない。だが、アンディもピエールも緊張がほぐれ、お互いの動きがわかってくると、どんどんプレーが噛み合ってきた。アンディ曰く、5セットマッチのダブルス良いところの一つは、お互いを知り合う時間が取れること。そしてダブルスで必須なのはコミュニケーション。

練習ではなかなか味わえない、実戦の緊張感の中でのお互いの動きや、考え方、サポート、強さ、弱点など、経験を積むことでしか分かり得ない数々。アンディとピエールは試合の中でお互いの共通点を深めていった。とは言え、急造ペア故に、スコアには現れない、僅差の戦いだった。ピエールは何度も試合中、フッと笑顔を見かけたし、逆にいつも自虐的に笑うアンディが、真剣な表情だった。とにかく楽しむ、これが2人に共通した考えであり、もちろんもっともっと試合を重ねられたらいいだろう。

願わくばアンディにもピエールにも、素晴らしい思い出となりますように。
いや、もう十分、思い出深い体験だろう。
いつも50人以上のプレスに囲まれ、国の重責を負ったアンディが、戻ってきたコートでテニスをする喜びや楽しみを思い出している、それだけでもう十二分ではないか。

ピエールもその傍らで、アンディのパートナーとして思いやりと誇りを持ってプレーしている。試合後、時間を取って沢山のファンへサインをするアンディを、ピエールは見えないところでちゃんと待っていて、笑顔で迎える。それを見ているだけで、じんわりしてきた。試合直後のインタビュー写真を友達が送って来てくれた。2人とも素敵な笑顔。同じチーム、“仲間”、なんだよな。

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